香りの散歩道


妻のいる砂丘風景

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

今日のお相手は、私、木村匡也です。

写真を撮るのが好き。
見るのも好き。というみなさん、東京都写真美術館を訪れたことがありますか。
入口に向かう通路の壁には、同じ時代をそれぞれの場所で生きた、3人の写真家の代表作が飾られています。

フランスの国民的写真家、ロベール・ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」。
戦場カメラマンのロバート・キャパが、ノルマンディー上陸作戦を撮影した作品。
そして、もう一つは、鳥取県で写真を撮り続け、フランス政府から芸術文化勲章を贈られた、植田正治(うえだ・しょうじ)の「妻のいる砂丘風景」です。
どこかで見たことがある、という方もいらっしゃるでしょう。

植田正治は生涯、ふるさとの境港を拠点にして、「撮りたいものしか撮らない。
いや撮れない。
写真することがとても楽しい」と語っていました。
この「写真する」という言葉は、独自のスタイルで撮影を楽しんだ、植田らしい表現として語り継がれています。

世界に名を知られるようになっても、旅先では写真を撮る気になれず、一刻も早く帰りたかったとか。
「私は、山陰の自然の中にいることが、たとえそれが吹雪の海に向かっているときでも、いちばん安心して写真することができるのです」。

モノクロの写真から、香り立つような山陰の風景。
植田正治の作品は、今も私たちの宝ものですね。


「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。

*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

9月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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